メールマガジン バックナンバー No.027

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環境・持続可能な社会へのみんなの一歩
                    グリーン・フォワード 
http://www.greenforward.org
No.027  2005/3/2
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《目次》
●01:グリーン・フォワードからのお知らせ
●02:持続可能な社会へのヒント
    - 炭素税(1)

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●01:グリーン・フォワードからのお知らせ

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●02:持続可能な社会へのヒント
     - 炭素税(1)

今回は環境税(炭素税)について、ご紹介したいと思います。
以下、炭素税とします。

炭素税とはなんでしょうか?
「二酸化炭素の排出につながるモノにかける税金」です。
二酸化炭素(以下、CO2)は温暖化ガスの一つであり、この排出を減らすことを
目的としています。
「税金」をかけるので、CO2を排出するモノの価格は相対的に高くなります。
普通、高いものは避けようとするので、CO2排出が減る、という仕組みです。

以下、Q&Aで進めてみましょう。

Q: なぜ炭素税って言うの?
A: 「環境税」には、森林税や廃棄物税など環境に関するものが広く含まれます。
またCO2以外にもメタンやフロンなど温暖化ガスがいくつもあるので、「温暖化対策
税」でも広すぎるので炭素税と呼んでいます。
が、名称は目的ではないので、良い制度であればどんな名前でもよいです…

Q: 具体的には、何に税金が掛かるの?
A: 制度設計によりますが、通常、石油や石炭などの化石燃料、さらにガソリンや
電気なども課税されます。

Q: で、一体いくらぐらいのものなの?
A: 去年の環境省案では、1世帯あたり年間3000円、毎月たったの250円という
試算でした。(ここにも数字のマジックありますが…)

Q: なんだ、意外に安いじゃない。どうして導入されなかったの?
A: 経済に悪影響を与える、と反対する勢力があるからです。

Q: ふーん、でもあまり安いと結局今までどおりで効果無いんじゃないの?
A: そうです。「価格インセンティブ効果」や「アナウンス効果」を狙うためには
税率は充分に高く設定する必要があります。
環境省案は低税率であっても、その税収を温暖化対策に充てるとして、効果を出
すとしています。(税収効果)

経済への影響。これは無視できないものです。
が、炭素税は欧州8カ国ですでに導入されています。
ここでの一つのキーワードは「税収中立」です。
炭素税で増税となります。が、同時に減税をしましょう、という制度となっていま
す。
マクロでは中立なのです。
日本の増税&対策予算方式は、極めてマレな制度案なのです。

税収中立の場合、企業個別に見ると、CO2削減に努める企業は、炭素税が少な
くてすむのでトータルでは減税となります。努力するものが報われる制度です。
でも、鉄鋼などエネルギー多消費産業には、どうしても増税となってしまいます。
国際競争力を維持するため、これら産業には軽減措置が与えられます。

もう一つ、減税ではなく企業の「雇用保険料の減額」が行われることもあります。
企業にとってはヒトを雇うコストが安くなるため、雇用を維持しやすくなり、失業率
を減らす効果があります。

まとめると、炭素税には、税制をグリーンなものへシフトする狙いがあります。
Goods(グッズ:雇用や利益など良いもの)は減税し、Bads(バッズ:CO2排出という
悪いもの)に課税する、そんな税制を目指すものです。

かなり省略しましたが、炭素税はその制度設計のポイントがいくつもあります。
そのため説明や議論が複雑になりがちです。
これまでも税制は「密室」で決められてきましたが、オープンな議論がされることを
期待します。
世界に大きく遅れて炭素税を導入する日本は、恥ずかしくない制度設計にしたい
ものですね。

Q: ねぇねぇ、まだ質問。
最近、ガソリンがだいぶ高くなったけど、消費量は減ってないんじゃないの?
A: 時間軸で分けて考える必要があります。
短期的にはヒトはあまり行動を変えません。が、長期的には例えば次の買い替え
のときに燃費の良い車を買うとか、メーカーにその開発を促すなどの効果が期待
されます。

Q: そもそもどうして炭素税が必要なの?他にもCO2削減の手段はあるでしょ?
A: 企業に対しては、規制や協定、排出権取引などの仕組みが考えられます。
でも家庭や消費者に対してこのような方策は取れません。
教育/啓発活動だけでなく、経済的インセンティブを働かせようというのが炭素税
です。
頑張った人が得する制度なのですから。

もし税収中立型の制度が導入された場合、このメルマガの読者は多分減税にな
る人が多いでしょうね?(^^)
しかも雇用率も上がって景気もよくなる。
早くこんな炭素税導入してほしいと思いませんか?

多分、これまでで最長のメルマガとなりました。
それでも疑問点たくさんあると思いますので、お気軽に質問メール下さい。
一応、次号も炭素税についてご紹介いたします。

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No.027  2005/3/2

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