メールマガジン バックナンバー No.048



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環境・持続可能な社会へのみんなの一歩
                    グリーン・フォワード 
http://www.greenforward.org
No.048  2006/7/15
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《目次》
●01:グリーン・フォワードからのお知らせ
●02:変化は訪れる
●03:環境関連税の政治経済学 (その1)
●04:不時不食

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●01:グリーン・フォワードからのお知らせ

今回も頑張って、メルマガを前回から1週間で発行してみました。
1週間って早いですね…
以前の毎週発行してた頃が別人のように思えます…
ま、オランダネタは、記憶のアウトプットだったので、早く書くほうがラクだった
とも言えますが。(^^ゞ
今後も毎週1回のペースで、発行してみたいと思います。

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●02: 変化は訪れる

環境問題や社会問題を扱っていると、たまにブルーになりがちかも知れません。
本当に社会は変わるのだろうか、間に合うのだろうか、と。

過去、このメルマガでも何度か書きましたが、筆者としてはどんな小さな
アクション、変化であっても肯定的に捉えています。
例えば企業にメールして、ちゃんとレスポンスが得られた、とか。

大きな変化を起こすには、長い時間が掛かることもありますが、案外早く
変化が起こることもあります。
携帯電話の普及や、コンビニの普及はその好例でしょう。

もっと身近な例を見てみましょう。
家庭で洗濯に使う洗剤はどうでしょうか?
この重量体積を半分にしろと言われたら、それは不可能だと感じるでしょうか。

ある年齢以上の読者の方々(^^ゞ はご存知だと思いますが、以前は洗剤は
大変大きな容器でかさばるものでした。
そこに1987年に花王が「アタック」を発売しました。コンパクト洗剤と呼ばれる
製品の先駆けです。
今では、このサイズが当たり前で、「コンパクト」という言葉が不要なほどですが
コンパクト化以前のものと比べ、現在では、重量で62%、体積で80%削減されて
います。

ここでは技術革新が大きな役割を果たしましたが、消費者のニーズの本質は
「衣類をきれいにすること」なので、やがて次の変化があるかもしれません。

身の回りを見渡してみて、「なぜこんなに沢山使っているのだろうか?」と
思うものはないでしょうか?

日用品メーカーの販売促進の定番の一つが、「増量」です。
有名な例として、某食品調味料で、振りかけて出す容器の穴の径を少し
大きくしたところ、消費者はより多く振りかけるようになったため、売り上げも
増大した、というものがあります。

今はその変化が困難に見えても、ちょっとしたきっかけで(技術革新や規制など)、
あっという間に変化が訪れる場合もあります。
ただその変化を待つだけでなく、私たち消費者のほうから求めてみることも
必要でしょう。


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●03:環境関連税の政治経済学 (その1)

先週、OECD環境局長のロレンツェン氏が来日し、各地で講演会などを
行いました。

OECDは2002年のレビューの中で、日本に対する勧告として、
「より環境に有効かつ経済的に効果的な方法で環境政策を実現するために、
経済的手法(例えば税や課徴金)の活用を強化、拡大し、持続可能な生産、
消費の実現に向け努力すること」
など、環境関連税の改革や予算見直し、補助金の削減などを求めてきました。

環境に有害な補助金の削減、改革をまずは求めながらも、税の有効性を
明言しています。

ではなぜ、環境関連「税」が有効なのでしょうか?

それは、環境に有害な行動を変える経済的インセンティブとなるからです。
普通のヒトや企業は、経済的にトクする行動をとります。

他にも重要なポイントがあります。
税は、法令順守の限界費用を均等化します。言い換えると、最小費用手段
となります。(静的な効率性)
また、継続的な技術開発のインセンティブとなり、これは動的な効率性を
もたらします。

さらに(当然のことですが)、税収が得られます。
OECDでは、この税収は「再還流」させたり、もしくは、歪みをもたらす税(労働
に対する税など)を縮小するために、使いうるとしています。

環境関連税の効果を幾つか見てみましょう。
スウェーデンでは、硫黄税を導入しました。
その結果、1989年から95年にかけて排出量が80%減少し、燃料中の硫黄含有
量が法定基準の50%以下にまで低下しました。
つまり「規制」より、効果的だったとも言えるわけです。
以前のメルマガ(No.28)でも書きましたが、規制が掛けられた場合、その一定値
をクリアすることだけが目的となり、通常それは最低コストで実施しようとするので
規制値以上に下げるインセンティブがありません。
税の場合、より高額の設備投資が必要だとしても、それによってより大きな節税
メリットがあるならば、投資GOの判断がされることでしょう。
また、そもそも「規制」は、大口ユーザー、企業など、行政が捕捉可能な
対象にしか掛けることができません。
個人や家庭に対し、「あなたは1年間に1トン以上のCO2を排出してはいけません」
と言うこともできませんし、言われたほうも実施することも、測ることもできないで
しょう。

もう一つの例は、アイルランドのレジ袋税です。
2002年に始まり、レジ袋の使用量が90%以上削減されました。
導入前には反対の国民も多かったようですが、今ではその効果が評価され、
「人気の」税となっているようです。(^^)

長くなるので、今回はここまで。
次回はこの続きとして、企業の競争力への影響とその対処法などについて
ご紹介致します。

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●04:不時不食

えー、今回はオランダネタではなく、中国語のことわざ、四字熟語です。

不時不食:時ならざれば食わず。その時期のものではないもの、旬のもので
ないものは食べない、という意味です。
文章で書くと長くなるものを、たったの四字で表すのはさすが漢字の世界。
しかも、この熟語の場合、bushi bushiと完全に韻を踏んでいます。(中国語で発音
した場合)。それがまた素敵です。
MOTTAINAIの次は、これが流行るかも(^^ゞ

世界にはたくさんの良いことわざがあるでしょうね。
色々とご紹介頂ければ幸いです。

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