メールマガジン バックナンバー No.052




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環境・持続可能な社会へのみんなの一歩
                    グリーン・フォワード 
http://www.greenforward.org
No.052  2006/8/12
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《目次》
●01:グリーン・フォワードからのお知らせ
●02:貿易と消費に関するクイズの解答
●03:開発とは?
●04:腐敗の防止に関する国連条約

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●01:グリーン・フォワードからのお知らせ

毎週の発行、まだ頑張って続けております…

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大きな飛躍を遂げようとしています。

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メルマガへの皆様のコメントお待ちしておりますm(__)m

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●02:貿易と消費に関するクイズの解答

前回のメルマガNo.51で投げ掛けたクイズはいかがでしたか?

「輸入量は日本がダントツの1位で、消費量は日本が世界で5位、なもの」

答えは、「石炭」でした。

消費量の上位は中国、アメリカ、インド、南アであり、これらは自国内での産出量
が多いため、輸入はそれほど多くありません。
一方、輸入では、日本は世界の23%を占める、ダントツの1位。

石炭なんて、まだ日本で使ってるの?と感じる読者の方も多いと思いますが、
実はここ数年の消費量の伸びは大きく、2002年時点で約1億6000万トン消費して
います。
このうち、原料炭(製鉄に使うコークスなど)は7000万トン程度でほぼ横ばい
なのですが、伸長が著しいのが一般炭と呼ばれるものです。

一般炭は主に発電の燃料として使われています。
では、石炭が発電電力量に占める割合はどれぐらいでしょうか?
約24%です。(2003年)
ちなみに、石油が発電量に占める割合は約10%です。
(ちなみに最も多いのがLNGで約28%です)

石油より石炭を沢山使ってるんだ…
この理由としては、1970年代のオイルショック以降、脱石油を進めてきたこと
が大きく、石油よりは産出国が分散していること、そして「安い」ためです。

石炭や石油を燃やすとCO2が発生します。
石炭は石油に比べ、27%も多くのCO2を発生させます(同一発熱量の場合)。

京都議定書が採択された1997年当時と現在、発電電力量とその燃料である
石炭と石油だけの数字の動きを見てみましょう。

       石炭  使用率   石油  使用率
1997年  1,345  (15%)   1,125  (13%)  (単位:億kWh)
2004年  2,243  (24%)    890  (10%)

石油への依存率は下がり、石炭への依存率が高まったことがはっきりと
読み取れます。
ここで1997年当時の石油の数字を、CO2発生量で「100」とすると、
       石炭    石油
1997年  151 +  100  = 251  
2004年  252 +   79  = 331 (増加率+32%)

石炭が増えたために、CO2の排出量は32%も増えてしまいました。
1997年に京都会議でマイナス6%の約束をしたというのに、何ともったいないこと
でしょう…

「電力」というかたちになってしまえば、私たちはその燃料を意識することは
あまりありません。
私たちの見えないところで、CO2排出量は大きく増えることもあるし、また逆に
減らすことも可能だと思います。

もし発電に使うエネルギーを再生可能エネルギー(自然エネルギー)に変えたら
どうなるでしょうか?
私たちの日常生活にはまったく変化なく、しかしCO2の排出は大きく減らす、
そんな社会を選び取ることも可能なのです。

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●03:開発とは?

皆さん、開発と聞くとどのようなイメージを持たれるでしょうか?
「環境系」の人々の間では否定的なイメージを持たれることも多いようです。

辞書(大辞林)によると、開発とは、

(1)森林や荒れ地などを切り開いて人間の生活に役立つようにすること。
  「宅地―」
(2)天然資源を活用して産業を興すこと。
  「電源―」
(3)潜在している才能などを引き出し伸ばすこと。
  「能力を―する」
(4)新しいものを考え出し、実用化すること。
  「宇宙ロケットの―」

環境系の方が懸念するのは、(1)や(2)の開発のことでしょうね。
ここで取り上げたいのは、(3)の意味の開発です。

「開発教育」という分野をご存知でしょうか?
上記のとおり、この言葉も誤解の多いものですが、
「開発教育協会」 http://www.dear.or.jp/ では、
「共に生きることのできる公正な地球社会のための教育」としています。

元々は、南北問題の理解と解決が主題でしたが、現在ではありとあらゆる
テーマを取り込み、それらと私たちのつながりを知り、考え、行動する、
ことが目的とされています。
もちろん、「環境」もこの一部です。

最近は、ESD(Education for Sustainable Development:持続可能な開発のため
の教育)のおかげで、環境だけでなく、社会、個人の問題も合わせて扱われる
ことも増えてきていますが、まだまだ別個の問題と捉えられることが多いよう
です。
より問題が複雑になる社会においては、それぞれのアクターがそれぞれの分野
での活動に注力することが何より大事だとは思いますが、と同時に、自分の活動
が他分野へどのようなつながりを持っているか意識することにより、より豊かな
活動ができることと思います。

グリーン・フォワードはそのような「つなぎ」をおこなっていければなぁ、と考えて
います。
なので、最近、このメルマガでも環境以外のテーマを意識的に増やしています。
元々の第一部「オランダ編」でも、個人・社会の視点を柔らかく盛り込んでいた
つもりです…

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●04:腐敗の防止に関する国連条約

グッドニュースです(^^)/
やや旧聞になりますが、今年の6月にようやく日本も「腐敗の防止に関する国連
条約」を批准しました。

やや「お約束」的なボケとしては、腐敗と言っても食品が腐るのを防止しようという
わけではありません(^^ゞ
この条約はいわゆる「汚職(賄賂)防止条約」と呼ばれるもので、贈収賄などの
腐敗を防止しようという狙いのものです。

なぜこのような条約があるかというと、賄賂を「経費」として扱うことにより税金を
軽くできる国が少なくないからです。
この条約を批准することにより、懲役や罰金、そして税金が重くなることにより、
賄賂は割に合わない、状況をつくることが可能となります。

日本では今年の税制改正により、無事この条約を批准することができました。
この条約だけでなく、日本が批准していない条約って、他にも幾つかあるので
すが、こういう耳の痛い話というのは、あまり表には出てこないものです…

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No.052  2006/8/12

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