メールマガジン バックナンバー No.054
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環境・持続可能な社会へのみんなの一歩
グリーン・フォワード
http://www.greenforward.org
No.054 2006/8/26
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《目次》
●01:グリーン・フォワードからのお知らせ
●02:持続可能な鉱物資源
●03:陸生生物種個体数指数
●04:PR戦略十訓
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●01:グリーン・フォワードからのお知らせ
前号の「Out
of sight, out of
mind」および「見える化」は好評で、読者の方から
幾つかのコメントを頂きました。ありがとうございました。m(__)m
環境・社会問題の「見える化」を、当グリーン・フォワードのミッションの一つと
位置づけ、これからも精進していきたいと考えます。
ちなみに、グリーン・フォワードの次のイベント出展は、10/15(日)開催の
「練馬まつり 環境リサイクルフェア」の予定です。
まだまだ先だと思ってたら、もう7週間しか無いのですね…
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グリーン・フォワードは小さなNPOですが、新しい環境学習教材の開発により、
大きな飛躍を遂げようとしています。
詳しくはwebサイト http://www.greenforward.org/ の会員募集ページ
または、e-mail info@greenforward.org まで
メルマガへの皆様のコメントお待ちしておりますm(__)m
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●02:持続可能な鉱物資源
前回、鉱業がもたらす様々な問題についてご紹介しました。
が、これらの問題が放置されてきたわけではありません。
業界の取り組み、また私たちができることを考えてみましょう。
業界団体などの取り組みとしては、ICMM(国際金属・鉱業評議会)は、環境や
労働、現地コミュニティなど10の原則を掲げながら、持続可能な開発に取り組ん
でいます。(*1)
また、「責任ある宝飾のための協議会」は、川上(鉱山)から川下(小売)まで、
人権や環境に配慮した行動をコミットする原則を採択しています。(*1)
「鉱業活動認証評価事業」は鉱山サイトがICMMの基準に合致しているかどうか、
第三者が評価、認証しようという動きです。(*1)
まだ完全とは言えませんが、業界としてのルール作り、その実施に対する評価
の体制ができつつあるという段階です。
一部の先進的な企業においても、
・従業員の採用、訓練
・環境に配慮した操業
・現地コミュニティへの貢献
などを掲げ、実施しており、地元からも大変高い評価を得ています。(*1)
例えば環境面では、テーリングが発生することそのものは避けられませんが、
そのテーリングを河川に排出するのではなく、パイプラインで深海に導き沈下さ
せる技術を使っています。(*1)
では、私たちには何ができるでしょうか?
「持続可能ではない」鉱物を買わない、クリーンな鉱物を選んで買うこと、
と言いたいところですが、現時点それは実現していません。
広義のグリーン購入、エコラベルのついた商品を買うこと、フェアトレードラベル
のついた商品を買うように、鉱物も選びたいところですが、鉱物にはまだ
そのようなラベルはありません。
また、通常の鉱物の使われ方としては、製品の一部として使われているため、
「グリーンな銅を使った携帯電話下さい」と言っても、現時点そのような商品を
入手することはできません。
よって現時点で私たちのできることは、メーカーに「そのような商品を作ってくれ」
と要望する・働きかける、ということになります。
そしてメーカーは、自社内で「鉱物資源の購買基準」を設けることにより、自社
製品にはダーティな鉱物を使わないと宣言することができます。
また、私たち一般消費者が直接に鉱物を買うこともあります。
それは貴金属です。
金(gold)の場合、宝飾品や私的保有の用途が51%あり、産業用途よりも
大きな割合を占めます。
もしあなたが、3gの金の指輪を買うとすれば、それは約4トンのテーリングを
背負ったものですが、その宝飾品、本当に必要ですか?
「グリーンなゴールド」が買えるようになるまで、待ってみてはいかがでしょうか?
待つだけでなく、そのような認証ラベルの仕組みを作るよう、業界に働きかける
ことも必要でしょう。
注:(*1)の部分の事例は、地球・人間環境フォーラム主催の「持続可能な
原材料調達」セミナーの資料を参考とさせて頂いております。
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●03:陸生生物種個体数指数
最近、当メルマガでは堅い話が多いのですが、筆者の日常では、『ダーウィンが
来た』などのTV番組で世界の動植物を見て楽しんでします。(^^)
いつも、生命の神秘、力強さに驚かされます。
ですが環境の劣化により、もう今後このような映像は見られないのではないかと
気になります。
WWFさんが、生物多様性について調査したものがあります。
http://www.wwf.or.jp/activity/lib/lpr/lpr2004/terrestrial.htm
この調査によると、1970年から2000年の間に陸生生物種個体数は約30%減少
したそうです。
特に熱帯陸生生物種個体数は減少幅が大きく、約65%も減少したそうです。
生物種の絶滅もその速度を上げており、1975年以降は1年間で40,000種も絶滅
しているという推測もあるそうです。
種の数も、個体数も大変な速度で減少しているわけです。
以前、当メルマガで「エコロジカル・フットプリント」を紹介したときに、
地球上の生態系容量のすべてを人間が使うのではなく、他の生物種に譲ると
したら、何%が適切でしょうか?と投げ掛けたことがあります。
この答え次第では、私たちに割り当てられたフットプリントはずっと小さくもなりま
すし、Point
of no
returnの時期も全く異なることになるのですが…
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●04:PR戦略十訓
大変古いものですが、来週(多分…)につながるネタなので紹介させて頂きます。
電通PRセンターが昭和30年代に掲げた「PR戦略十訓」というものがあります。
1.もっと消費させろ
2.捨てさせろ
3.無駄遣いさせろ
4.季節を忘れさせろ
5.贈り物をさせろ
6.コンビネーションで使わせろ
7.きっかけを投じろ
8.流行遅れにさせろ
9.気安く買わせろ
10.混乱をつくりだせ
現在の広告会社がこのような十訓を掲げることはないと思いますが、
もしこの逆に
1.物質的な消費は押さえ
2.リユース・リサイクルし、
3.その前にリデュースし、
4.季節を感じ、
5.贈り物は物質によらず、
6〜10.本質的に必要な価値を見極め、商品の向こう側にあるものを想像し、
責任ある消費をすれば、持続可能な社会にぐっと近づくことでしょう。
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環境・持続可能な社会へのみんなの一歩
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No.054 2006/8/26
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