メールマガジン バックナンバー No.059




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環境・持続可能な社会へのみんなの一歩
                    グリーン・フォワード 
http://www.greenforward.org
No.059  2006/11/19
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《目次》
●01:グリーン・フォワードからのお知らせ
   − 「環境税ワークショップ」の実施
●02:地球温暖化に関する映画と報告書
●03:『ハーメルンの笛吹き』

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●01:グリーン・フォワードからのお知らせ

11月12日開催の「環境税ワークショップ」にグリーン・フォワードが
ファシリテーター参加してきました。
当日の様子をwebにアップしましたのでご覧下さい。
http://www.greenforward.org/

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グリーン・フォワードは小さなNPOですが、新しい環境学習教材の開発により、
大きな飛躍を遂げようとしています。

詳しくはwebサイト http://www.greenforward.org/ の会員募集ページ
または、e-mail info@greenforward.org まで

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●02:地球温暖化に関する映画と報告書

前号No.058を発行してから随分時間が経ってしまいました。
この間、地球温暖化(気候変動)に関して、幾つか大きなトピックがあった
ので、以下にそれを取り上げてみましょう。

『不都合な真実』
アメリカの元副大統領のアル・ゴアさんが主演?の映画です。
試写会を見てきたのですが、温暖化に関して映像を豊富に使い、分かりやすく
伝える映画です。
日本での公開は来年の1月です。
温暖化に関心のある方はもちろん、いえ逆に関心の無い方に見て頂きたい
映画です。

『スターン・レビュー』
こちらは、イギリスが発表した、気候変動の経済的側面に関するレビューです。
http://www.hm-treasury.gov.uk/independent_reviews/stern_review_economics_climate_change/sternreview_translations.cfm
もし気候変動予防の対策を取らなかった場合、全世界のGDPの5〜20%を
失い、恐慌となってしまう。逆に今、対策を取れば、そのコストはGDPの1%しか
掛からない、という内容です。
前者はGDP20%もの「損失」であるのに対し、後者はGDP1%の「投資」と
捉えることができます。

『不都合な真実』は一般市民に、『スターン・レビュー』はビジネスマンや政治家、
役所の方に、温暖化の危機を伝え、啓発するものです。
これで来年以降は、温暖化対策に一層の弾みがつく…
と期待しています。


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●03:『ハーメルンの笛吹き』

前回のハチドリの物語や、『半日村』に引き続き、子ども向けのお話を
取り上げてみたいと思います。
『ハーメルンの笛吹き』はグリム童話ほか、多少内容の異なる幾つかの
民話として伝えられているものです。

どんな話だっけ?という方のために、あらすじを紹介しますと、
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昔、ある村が大量のねずみの被害に悩んでいました。
そこに笛吹きが訪れ、ねずみ退治を持ちかけ、ハーメルンの村長はその報酬
を約束します。
笛吹きはその笛の音でねずみを誘い出し、村にねずみはいなくなりましたが、
村長は報酬を払おうとしません。
怒った笛吹きは再び笛を吹きながら村を去ります。
が、その笛の音に誘われ、村の全ての子どもたちがついて行きます。
そして村には子どもはいなくなってしまいました。
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去年のホワイトバンドキャンペーン、その本家イギリスの「Make Poverty History」
では、印象的なキャッチコピーがありました。
黒人の少年とイギリスのブレア首相が向き合っている写真です。
一言だけ「You promised」(約束したよね)とだけ書いてあります。
2005年以前に約束された、債務放棄などの公約を果たすように促すメッセージ
でした。

地球環境についてはどうでしょうか。
温暖化を防ぐため、京都議定書が採択されました。
ここでの削減目標、先進国だけでマイナス5.2%ではまったく不十分ながら、
大事な一歩となるものです。
日本はマイナス6%を目標とし、これを批准しました。
ところが、日本のCO2排出量は基準年1990年に対し、8.1%の増加となっています。
つまり、これから約14%の削減が必要な状況です。
一部では、この達成は無理だとか、京都議定書などやめてしまえ、との声も
ありますが、「約束」を守ることの大切さを忘れてしまったのでしょうか。

万一、「京都議定書」が遵守できなかったとしても、まだ「気候変動枠組条約」
があります。
これは日本だけでなく、アメリカや中国など発展途上国も含め、約190の国・地域
が批准している条約です。
気候変動を防止することは、世界の公約となっているのです。

スターン・レビューが示すのは主に経済的な影響ですが、温暖化/気候変動が
進んだ場合、食糧、水、健康、安全、平和など、私たちの社会の基礎となる
多くのものが損なわれてしまいます。

本当に大切なものを失ってから気がつくのでは遅すぎる、
『ハーメルンの笛吹き』は、私たちに警笛を鳴らしているのではないでしょうか。


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No.059  2006/11/19

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