メールマガジン バックナンバー No.066





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環境・持続可能な社会へのみんなの一歩
                    グリーン・フォワード 
http://www.greenforward.org
No.066  2007/5/3
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《目次》
●01: グリーン・フォワードからのお知らせ
●02: 京都議定書の日本の目標値は?
●03: 我が家のエコ活動(その2:交通)

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●01: グリーン・フォワードからのお知らせ

6月は環境月間。
今年も、練馬区の環境月間行事に出展予定です。
日程は、6月9日(土)、6月10日(日)です。
いずれも時間は午後の予定です。
皆様のご参加お待ちしております。(^o^)/
また、ボランティアご協力頂ける方も募集中です。

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グリーン・フォワードは小さなNPOですが、新しい環境学習教材の開発により、
大きな飛躍を遂げようとしています。

詳しくはwebサイト http://www.greenforward.org/ の会員募集ページ
または、e-mail info@greenforward.org まで

メルマガへの皆様のコメントお待ちしておりますm(__)m

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またまた、前号発行からかなりの時間が経ってしまいました。
ほとんど月刊ですね…


●02: 京都議定書の日本の目標値は?

最近、地球温暖化・気候変動に関するニュースや記事をみることが非常に
増えたような気がします。

短期的に日本にとって、最も気になるのが「京都議定書」削減約束値の達成
の可否です。
現在、国の京都議定書目標達成計画の見直しを行っていますが、従来どおり
の施策だけでは達成は不可能であることは誰の目にも明らかです。
どれだけ効果的な施策を、追加的に素早く実行できるか、が重要なポイントと
なっています。

達成は無理だ、遵守はできない、と諦めの声も聞こえてきますが、
当メルマガバックナンバーのNo.063でも紹介しましたように、長い国際交渉を
経て合意された京都議定書を、そう簡単に反故(ほご)にできるわけでは
ありません。
つい最近、カナダは遵守不可能だ、と公式に宣言してしまったようですが…
(−6%の削減目標に対し、+30%の実績のため)

ところで、日本の約束値は何%でしたっけ?
そう、EUが−8%、アメリカが−7%、日本が−6%、ですね。
(アメリカは2001年に京都議定書を離脱)

えぇ、これはこれで正しいです。
京都議定書の目標値に異論を唱える方々は、(基準年となる)1990年当時に
すでに省エネの進んでいた日本にとって、−6%は厳しすぎる、公平ではない、
という主張をされます。

まぁ、でも中身をよく見てみましょう。
−8%、−7%、−6%、という数字は極めて政治的に作られた数字です。
削減余地の大きい諸外国と比べ、日本の目標値は厳しいということは
国際的にも理解されていました。

そこで救済的に現れたのが「森林吸収源(シンク)」というものです。
森林吸収源というと、あぁ植林でもするのかなと思われるかもしれませんが、
日本に植林できる広い未利用地など残っていません。
そもそも国土の67%が現在でも森林です。

そこで「森林管理」という活動を持ち出してくることにしました。
すでにある森林に対して行う間伐などの作業です。
元々は、「森林管理」などの活動はその定義や、自然吸収と人為的活動による
吸収との区別が難しいため、第一約束期間では使えない(算入できない)はず
でした。
  (間伐は林業のためにBaU(Business as Usual:従来どおりの活動)として
  行われるものであり、CO2吸収のために行うものではない)
それが政治的交渉の結果、2001年のCOP6再会合で、第一約束期間から
使えることになりました。

その日本に与えられた数字は3.8%です。EUには0.4%です。
(アメリカは既に京都離脱していたので、該当せず)
一種のゲタとも、ボーナスとも言える数字です。
その結果、日本が本当に削減努力しなければならない数値は、2.2%と
なりました。

よって、さきほどの数字をもう一度並べるならば、本当は
EUが−7.6%、アメリカが−7%、日本が−2.2%、なのです。

これでもまだまだ日本にとって厳しすぎる、不公平だとおっしゃる方も
いらっしゃるかもしれませんが、日本が国際的に割り当てられた数字としては
この−2.2%の数字のほうを使うべきではないでしょうか?
(以下ではしばらく−6%を使います)

もう一つありがちな誤解を解いておくと、
(ご存知の方には当たり前すぎる話ですが)
京都議定書の第一約束期間は、2008年から2012年までの5年間ですが、
2012年までに、−6%達成すればよいのではありません。
この5年間の平均で、−6%としなければならないのです。
(実際には、%ではなく、排出「量」の達成)

普通に考えれば、排出量は1年ごとに徐々に下がっていくでしょう。
ご存知のように、日本は2005年速報値で+8.1%となっており、
もう来年(わずか8ヵ月後!)から第一約束期間が始まります。
少々乱暴ですが、ざっと平均的にならしてみると、
仮に毎年5%ずつ削減すると、
2007年  +8% (←2005年とほぼ同じと仮定)
2008年  +4%
2009年  −1%
2010年  −6%
2011年  −11%
2012年  −16%
というイメージになります。

3.8%のゲタがあるとは言え、この削減は「激変」と言えるのではないで
しょうか。
何事にも言えますが、早めに手を打っておけば、あとになって苦しむことも
ないのですが…
むしろそれとは逆に、当メルマガバックナンバーのNo.052で紹介しましたように、
この数年間、石炭火力発電所を増やすことによって、むしろCO2排出を
(不作為の)政策的に増大させてきたのです。

京都議定書の約束を守ることは非常に困難ですが、なんとしても達成しなければ
なりません。
当メルマガで何度も書いているように、これは気候安定化のための、ほんの小さな
一歩に過ぎないのですから。

ちなみに現在、政府では「排出量及び取組の状況等に関する論点整理(案)」に
対する意見(パブリックコメント)を募集中です。
http://www.env.go.jp/press/press.php?serial=8302
締め切りは5月9日です。
一言だけでもよいので、皆様もぜひ意見提出してみてはいかがでしょうか?


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●03: 我が家のエコ活動(その2:交通)

前号に引き続き、筆者および我が家のエコ活動について紹介してみたいと
思います。
前回の前書きの繰り返しになりますが、何も人様に押し付けるものでは
ありません。

第2回目は、移動・交通に関するものです。

我が家には、自家用車はありません。
これだけで、平均的には、自家用車を使う家庭と比べ、CO2の排出量は
−31%である、と言えます。
http://www.jccca.org/content/view/1048/788/

公共交通が発達している都内に住んでいるおかげで、移動はもっぱら
電車であり、もちろん近所には自転車か徒歩で移動です。(たまにはバスも)

公共交通が不便な地域にお住まいの方で、生活の移動のために自動車を
使うことはやむを得ないこともありますが、
筆者にとって意外なのは、エコ派の方で生活のためには公共交通を使う方
であっても、レジャーなどでは、簡単に自動車を使ってしまうことです。

業務上では、以前は筆者も自動車をたまに使っていましたが、現在は全く
使いません。
これもあまり当人には選択の余地はないものですが。

以前は、飛行機での出張も年に数回ありましたが、現在は全くありません。
(たまにあるかも知れません)
これも同じくあまり当人には選択の余地はないものですけど。

交通に関しては、住む地域(公共交通の整備)や職業により、ほぼ固定的
となってしまいますが、それでも例えば、より小型で燃費のよい自動車を
選ぶとか、エコ・ドライブを心がけるとか、多少は私たち自身で努力が可能
かもしれません。

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No.066  2007/5/3

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