メールマガジン バックナンバー No.071





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環境・持続可能な社会へのみんなの一歩
                    グリーン・フォワード 
http://www.greenforward.org
No.071  2008/4/05
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《目次》
●01: グリーン・フォワードからのお知らせ
●02: 林業経営統計調査

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●01: グリーン・フォワードからのお知らせ

メルマガ読者の皆様、こんにちは。

メルマガ発行が大幅に滞って申し訳ありません。
前号(No.070)と同じ言い訳なのですが、昨年10月の右足首骨折以来、
色んな意味で時間が取られてしまうので…
blogのほうにかなりグチってますが、リハビリ中心生活です。(+_+)
こんなに長引くとは…


グリーン・フォワードのイベント予定のご案内です。

1.春日町リサイクルセンター ミニ環境講座

 内容:「森林バイオマスすごろく」と、森林バイオマスに関するワークショップ
 日時:5月10日(土) 14:00〜16:00
 場所:春日町リサイクルセンター
     http://members3.jcom.home.ne.jp/kasuga-rc/index.html
 対象:主に小学生(どなたでも可)


2.練馬区環境月間行事

 毎年恒例の行事です。練馬区内の多数の環境団体が出展します。

 内容:1.森林バイオマスすごろく
    2.環境ミニクイズ(主に地球温暖化がテーマ)
     これら2つの出展内容を同時進行です。
 日時:6月14日(土) 10:00〜17:00
    6月15日(日) 10:00〜15:00
 場所:光が丘区民センター
    http://www.city.nerima.tokyo.jp/guide/shisetsu_syosai.php?id=000301
 対象:どなたでも

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<グリーン・フォワードのサポーターになって頂けませんか?>
グリーン・フォワードは小さなNPOですが、新しい環境学習教材の開発により、
大きな飛躍を遂げようとしています。

詳しくはwebサイト http://www.greenforward.org/ の会員募集ページ
または、e-mail info@greenforward.org まで

メルマガへの皆様のコメントお待ちしておりますm(__)m

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●02: 林業経営統計調査


「りんか」と聞いて、何を思い浮かべるでしょう?

リンカ? それともタレント…

試しに、今お使いのパソコンで「りんか」と入力してみて、変換候補を
眺めてみて下さい。


今回ご紹介したいのは、「林家」の「りんか」です。
ちなみに、私の使っているパソコンでは、林家とは変換候補に現れません。

林家とは何でしょう?
漢字を見てもまだ意味がピンと来ない方もいらっしゃるかもしれませんが、
読んで字のごとく、林業を営んで生計を立てている人、のことです。

農業で「農家」というのと同じように、林業では「林家」と呼ぶのです。

ですが、林家とはあまり聞かない言葉ですね。
国土の67%が森林に覆われる森林大国なのに、どうしたことでしょう。

林家の定義は変化しているようなので、画一的なことは言えませんが、
2000年世界農林業センサスの定義では、森林の保有面積が1ha以上である
世帯を林家と呼ぶそうです。

またこの調査によれば、日本の林家数は約102万戸となっています。
やはりそれほど多くはないですが、決して少ないという数でもないと
感じます。

では、その林家の生活はどうでしょうか?

最新の平成18年度 林業経営統計調査によれば、
林家1戸当たりの林業所得は約48万円でした。


桁の間違いではありません。月間でもありません、1年間です。

林業粗収益は約260万、林業経営費は212万で、差し引きの所得が
約48万円です。

もしあなたが林家ならば、年収48万円で生活していけるでしょうか?
実はこれでも、前年(平成17年度)に比べれば改善したのであって、
前年の林業所得は、約29万円でした。

近年、森林の荒廃に注目が集まり、間伐が大事だ、植林しよう、との
声が高まりつつありますが、その森林・林業を担う林家の実情について
取り上げられることは少ないのではないでしょうか。

林家が適切な利益を上げられる状態でなければ、森林(山)は、
健全な生育を果たすことはできないのではないでしょうか。

木を守ろう、森を守ろう、の声は大きく、それは間違いではないのですが、
本当は、林業を守る、林家を守ることが先ではないでしょうか。
そうすれば、おのずと森林は守られるように思います。


これと関連する、もう一つ気になるデータがあります。
内閣府による「森林と生活に関する世論調査」では、森林に何を期待するか
を尋ねています。
選択肢は以下のとおり。

a.山崩れや洪水などの災害を防止する
b.二酸化炭素を吸収することにより、地球温暖化防止に貢献する
c.水資源を蓄える
d.大気を浄化したり、騒音をやわらげる
e.心身の癒しや安らぎ、レクリェーションの場を提供する
f.貴重な野生動植物の生息の場として
g.自然に親しみ、森林と人とのかかわりを学ぶなど教育の場として
h.木材を生産する
i.きのこや山菜などの林産物を生産する


筆者ならば全てを選択したいところですが、3つまでの複数回答です。
3つに絞るのは難しい〜(+_+)

アンケートの結果としては、上記のa.〜i.選択肢の並びが、実は回答の
多かった順位となっています。
この具体的数値を見てみると、b.の温暖化防止への期待は、42.3%
もあります。近年の調査でどんどん比率が高まっている選択肢です。
一方、h.の木材生産への期待は、17.5%しかありません。

また、i.のきのこなど林産物への期待も14.4%しかありません。
実はきのこや山菜などの林産物は林家にとって、木材と並び重要な収入源
なのです。


日本の森林から出る木製品を使い、自給率を高めることは、
日本の森林を活性化することによるCO2吸収量を増すだけではなく、
海外の森林を守ることにもつながり、CO2の放出を抑え、
輸送に伴うエネルギー(船舶燃料など)の節約により、CO2排出を
抑えることにもつながります。

持続可能な社会を実現するためには、何か一つを守ればよいという
ものでもありません。
全体を眺めつつ、システムとしてうまく回るよう、私たちの限られたリソース
を適切な部分に振り向ける必要があるでしょう。


ちなみに、漁業で生計を立てる人を「漁家」と呼びますが、この言葉も
まったくマイナーな言葉のようです。
四方を海に囲まれた漁業大国であり、日本の食卓にとって魚介類は
欠かせない重要なものだと思うのですが…


参考資料:
平成18年度 林業経営統計調査
http://www.maff.go.jp/toukei/sokuhou/data/rinka-syusi2006/rinka-syusi2006.pdf

森林と生活に関する世論調査
http://www8.cao.go.jp/survey/h15/h15-shinrin/index.html


当メルマガでは、見出しを「○業経営統計調査」としましたが、
HPのバックナンバー保存では、林業としておきます。

冒頭のイベント案内を読み飛ばした方、ぜひご覧下さいね〜(^o^)/


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No.071  2008/4/05

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